講師のメッセージ  

              〜生徒さんとの思い出〜 

例年なら蒸し暑い毎日が続くところですが、今年のお盆は涼しくて夏らしい気分が出ませんでしたね。個人的には、部屋の冷房があまりいらなくて助かっておりましたが・・・。

さて、今回は、開校して2年余りの間に出会った当教室の生徒さんのうち、特に印象の深かった方々についてご紹介したいと思います。

教室に来られる人の中には、キャリアアップのための明確な目標をお持ちの方がいらっしゃいます。おととしの秋に訪ねて来られたある女性は、CPA(米国公認会計士)の資格を取得されており、「将来は米国の企業で働きたいので、そのために英語力を伸ばしたい」と入会の動機をおっしゃっていました。

実は、私自身、英語力を生かせる専門職としてこの資格にあこがれた時期があり、3年ほど前には大手の受験専門校の説明会にも足を運んだほどでした。

その結果、予想以上の時間と費用(3〜4年の受験勉強+米国への渡航費などを含めた150万円程度の資金)が必要だとわかり、あきらめた経緯があります。

私の場合、英語力を伸ばすために既に多大なエネルギーを消費しており、また一から受験勉強というのは、時間的にも金銭的にも負担が大きすぎたのです。

すなわち、この教室を開校する直前、CPAの勉強とどちらを選ぶのか真剣に悩み、結局、教室のほうを選択したのです。

そういう事情もあって、実際にCPAを持った方が入会されたときは、大変な努力家の彼女に敬意を抱くとともに、不思議なご縁を感じました。

彼女は当初、1年後ぐらいをめどに、現地企業でのインターン採用をめざしていましたが、状況はなかなか厳しかったようです。教室での時事英語の勉強とフルタイムのお仕事を続けながら粘り強く転職活動をされているのを、本当にえらいなあ、と感心して見ておりました。

その結果、約1年たった去年の秋、関西のある外資系企業に彼女は正社員として見事採用されたのです。培った会計知識や英語力を生かせるポストで、待遇も良く、上司は外国人であるとのこと。

何よりうれしかったのは、最終面接で英語を話す機会があり、その際、当教室で意見発表をしてきた訓練が大いに役立った、との報告を受けたことです。もちろん、この不況下で栄冠を勝ち取ったのは彼女自身の実力によるものですが。

この生徒さんは、転職に伴って当教室への交通が不便になったこともあり、残念ながら現在は通学されていません。ですが、私自身の断念した難関資格を取った彼女が、さらなる努力の末、夢の実現への第一歩をつかんだ、そのお手伝いができたことへの喜びのほうがはるかにまさっています。

休会が決まってから、わざわざ教室まで最後の挨拶に来られたときのご様子は、そのお人柄とともに、今でもよく覚えています。文字通り、この教室を巣立っていかれたおひとりだと思います。

このほかにも、記憶に残っている生徒さんはたくさんおられます。同じく、1年目の秋から去年の夏ごろまで中級クラスに通われ、現在は通訳ガイドをめざしている主婦の方がいらっしゃいます。笑顔のすてきなとても上品な女性で、そのうちきっとガイドさんとして活躍されるでしょう。

初級クラスでは、いずれも20代後半から30代前半の年齢で、数ヶ月から1年ぐらいの予定で、語学留学やワーキングホリデーのため海外に出られた女性が数名おられます。

自分も同じ年齢の頃、現状を打破したくてスイスで1年間を過ごした経験があるため、何だかだぶって見えてしまいます。彼女たちが、それぞれの滞在先からときどきメールで近況報告をしてくれるのがとても楽しみです。

また、先日、1年間の海外赴任で米国へ発たれた女性も、短いお付き合いだったにもかかわらず、出発前に電話とメールでお礼のご連絡をくださり、胸が熱くなる思いでした。皆さんが、異文化体験を通してひとまわりもふたまわりも大きくなって、無事帰国されることを祈っています。

以上、ほんの一例ですが、生徒さんとの思い出を取り上げてみました。今後も、教室に来られる受講生の方々と、授業を通じてお互いに成長していけるような、そんな関係を築いていきたいものです。

2003年 8月